きいろい青空【完】
「わぁーーーー。人多っ!」
と、電車を降りて早々声をあげた花恋。
隣街のお祭りだから電車で来た。
俺たちは、空が闇に包まれてるのも気付かず遊び続けた。
でも、メインはやっぱ花火でしょ!!
俺たちは神社へ向かう。
颯さんおすすめの場所。
この街で1番高いところにあるから、よく見えるらしい。
「あ~疲れた…」
花恋が神社の石の階段に座り込んだ。
浴衣だと疲れるよね。
それにつられて、俺と颯さんと翼も座った。
「いつ始まんの?早くしろーい、花火ちゃーーん!!」
翼が叫んだ。
てか、空に叫んだって意味ないのに。
おもしろいヤツ。
「あれ?颯は、どこ行った?」
花恋がキョロキョロし颯さんを探してる。
そういえば、いない。
「あ、いたよ。あそこ」
翼が見つけ指を差した。
暗闇の中、おさいせん箱に向かってる颯さんの姿。
「うちらもお金いれるかな〜」
と、花恋が言いながら3人で颯さんのもとへ向かう。
そして、おさいせん箱の前に並んだ。
「みんな、いくら入れんのぉー?」
「10円」
花恋の質問に、俺と翼の声が重なる。
そのまま2人で10玉を投げ入れた。
「颯はいくら入れたの?ねぇーねぇー」