きいろい青空【完】
颯さんは、らしくもなく真剣に両手を合わせている。
「14円」
目を閉じながらただそれだけを呟いた。
「なんで?4円は何?」
「4人いるじゃん」
「ん?どーゆー意味…?」
花恋は困って、みけんにシワを寄せた。
その時。
----ドッッカーンっ!!
勢いよく弾ける花火の音が響いた。
急いで石段に座りに戻る4人。
色鮮やかに夜空を飾っていく花火。
「わぁー…きれいだねぇ」
と、翼は花火に見とれている。
「すげぇ!!写メ写メ!!」
と、慌ててケータイを取りだす颯さん。
ドカドカと打ちあがっていく花火。
そんな花火を、何も言わずにただ夢中に見ている花恋。
俺は、瞳に花火が映っている花恋を…ただずっと見ていた。
花火じゃない。
花恋を…見ていた。