きいろい青空【完】
花恋*
「どこいんの?」
思わず独り言を吐いた。
ただただ走っているけれど、颯はなかなか見つからない。
真っ暗な夜道に立ち止まった。
どうしよう…
いないよ……
そうだ。
電話してみよう!
ケータイを取り出し、颯に電話をかける。
『プルルルル、プルルルル』
呼び出し音だけが聞こえ、颯は出ない。
お願い。
出てよ!!
それだけを思い、ずっと待っていた。
その時!
ん?何か聞こえる
「♪~♪~」
音が聞こえる。
これは…颯のケータイの着信音?
確実ではないけど、無我夢中になって走った。
音をたどって。
「♪~♪」
だんだん大きくなってきた音。
もうちょっと…もうちょっと……
音をたどっていくと、お墓が並んでいる敷地内に入った。
その暗闇の中に人影を見つけた。