きいろい青空【完】
花恋*
颯、いるかなぁ?
今日も一緒に帰ろっと!!
スキップをしながら、颯のクラスの3Cまでの階段を駆け上がる。
「あっ」
それだけを発し、自分の口を両手でふさいだ。
颯と直輝がふたりで話しているのを発見!!
重い空気がふたりの周りを漂っているのを察知。
ふたりとも、深刻な顔して。
見ちゃいけないものを見ちゃったような感じ…。
反射的に階段の壁に身を隠し、ふたりを観察することにした。
「-----……」
よく聞こえないんだけど。
もっともっと耳をすませて。
「多分、先輩の元カノとかからのいじめ」
------え?
それを聞いた時には、すでに声が出ていた。
「直輝っっ!!」
うちの声が廊下に響き、振り向いた直輝に近寄る。
そして…
パチンっ!!
うちの右手が直輝の頬をとらえた。
なんで?
言っちゃったの?
直輝を信じていたのに……