きいろい青空【完】
「なんで言ってんの!?言うなって言ったじゃん!!マジ最低。直輝なんか、大っっっ嫌い!!」
ほんと…どうして!?
「マジ無理。どっか行って!今後一切、話しかけんな!!」
もう嫌だ。
直輝なんか、嫌だ。
「俺と幼なじみは…嫌だった…?」
寂しそうに直輝は呟いた。
どうして、今そんなことを聞くの…?
でも、いい。
直輝と幼なじみの関係が壊れることなんて、うちは恐れていないんだから。
それより怖いのは…
颯との関係が壊れてしまう事。
必死に繋ぎ止める。
「や。だって、直輝が幼なじみってだけで、うちは何人にフラれたかわかってる?」
『直輝と付き合ってるんじゃなかったの?』
『花恋と付き合うと、直輝が可哀そうだから。』
『付き合っても直輝から離れてくれなそう。』
告白をしたら、いつも返ってくる言葉。
いつもいつも直輝の存在でフラレ続けていた。
「そうだよな…俺が幼なじみで迷惑だよな。ごめんなぁ……俺で」
直輝は今にも泣きそうに謝る。
すごい自分を責めているんだろう…それが直輝。
それでも、うちは颯の腕を組んで冷淡に言う。
「直輝の顔なんか、見たくない。颯かえろ?」
「あ、うん」
颯は、うつむいている直輝を気にしてちらちら見ている。
そんな颯を無理やり引っ張る。
絶対に振り向かないで、歩いた。
あんな奴ほっとくんだ。
そう、うちは直輝と絶交をした。
今日でうちと直輝と“他人”になります。