きいろい青空【完】
絶交して、よかったって思っている。
颯だけを見てられるから。
だから、よかったって…思っている…。
思っているくせに、どうして?
涙というモノがこぼれ落ちるんだろう…?
隣を歩いている颯に見つからないように、必死で涙を隠す。
そして、立ち止まり、颯は急に抱きしめてきた。
「どうしたの?」
颯の体は微かに震えているのを感じた。
「今まで、ごめん。叩いたりして…痛かったろ?」
耳元で、ぽろぽろと言葉を出す颯。
夏休みを迎えた頃くらい。
颯は気に入らないことがあると、すぐにキレて……
手をあげるようになっていた。
なんで、最近キレやすいのかなんてわからない。
でも、ずっと我慢して我慢して…
だって颯の隣にいたくて。
離れたくなくて。