きいろい青空【完】
「ごめんっ…今は、花恋を傷つけるだけ…だから」
それだけ言い残すと、颯は走って行った。
残されたうちは、膝がガクっとなりその場に崩れ落ちる。
スカートの上に、ぼろぼろと雫がこぼれ濡らしていく。
涙は枯れないの?
拭いても拭いても、こぼれ落ちるよ…
「ねぇ…っう…はや、て…」
どうしてなの?
うちは、大丈夫だと言ったのに?
うちはいいんだよ?
颯のとなりいられるのなら、どんなことも大丈夫なの。
だから、ずっと我慢できてのに……
「んぁ…なんでっっ?ひっく…颯っ…!」
言葉になんかなっていない声。
誰もいない廊下は、ただそれだけが響いていた。
どうして颯は“別れ”を選んでしまったの?
颯となら、どんなことでも乗り越えられるよ?
ずっとずっと一緒にいたいよ…。
こんなに好きなのに…?
…どうしてっ?
さよならは言いたくないよ…。
颯…