きいろい青空【完】




「うちがいるじゃん!!なんで、こんなに花恋なのっ!?」



翼が声を上げた。



初めてだった。




翼がこんなにも声を上げ、訴えてきたのは。




「わかっている。わかっているけど…ごめんっ…」




「わかってないよ!!」




「つばっ……」




翼は急に、俺に唇を押し当てた。


俺のシャツを握る翼の手は、小さく震えながらも強く離さない。



一回じゃ終わらず、翼のキスは激しく続く。



無理矢理、下を入れようとする。



俺の全てを翼で埋めるかのように…





俺は、腕を翼の後ろに回し優しく抱きしめた。



俺の腕の中にすっぽりと収まる翼。




「うちだけ…を、見てよ……っ!」




涙声が混ざっている声。




いつもいつも、翼に我慢させていたんだ。



先輩だからって、俺より前を歩いていてくれていた。



俺の中に花恋が残っているとわかっているのに、我慢して笑ってくれて…




でも、これが本当に翼の気持ちだ。





自分だけを見つめててほしいだけ。




俺は、もっともっと翼を強く抱きしめた。



我慢させて、不安にさせて…





本当にごめんね。






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