きいろい青空【完】
うちは、がくがく震える足をなんとか立たせ颯の病室に近づく。
まだ期待しているよ?
あの笑顔が見れるんだって。
ゆっくりゆっくり近づき、そっと扉を開けた。
“大丈夫”だと信じて…
「はや……て?」
ベッドにねている人がいる。
これが、颯…なの?
頭、手足…全身に包帯を巻いている。
1歩1歩、不安を感じながら近づいた。
心臓が波打っているのがわかる。
「颯?なんで、ねているの…?いつまでねているの?もう、朝だよ?」
ねている人は、やっぱり颯だった。
うちの大好きな颯。
でも、どうしてねているんだろう…?
目は開かない。
「ねぇ!起きてよ!!朝だよ、朝っ!起きてよーー!」
叫びながら揺すっても起きない。
どうして…?
「颯……なんで、起きてくれないの?ねぇ…」
その時、ヒヤっとして体が硬直した。
颯の右手の甲に触れたのだ。
「なに…これ…」
本当に、颯の手?
どうして…こんなに……冷たいの?
一気に現実に引き戻され、嫌でも理解した。
颯が死んだ------?