きいろい青空【完】
直輝*
病室での別れをしてから、何日後。
颯さんのお葬式が行われた。
あの日は、花恋の誕生日で一日デートをした。
デートから帰ってきて、花恋の家でケーキを食べたふたり。
そして、寒い家路を歩きながら、翼の家に寄った。
断る話をしに。
泣いて嫌がる翼を納得させ、帰る颯さん。
歩きながらメールを打っていたら、翼がペアリングを返そうと後ろから走ってきて飛び出した。
夜だったから見えなかったのだ。
その翼をかばい、颯さんは事故にあった…。
急いで救急車で運び込まれ、手術をした。
一命は取り留める。
しかし、意識が戻らない可能性がある。
後遺症が残る可能性がある。
そして最悪の結果も待っているかもしれないと告げられ…。
そして、次の日の朝に意識が戻った。
だが。
あの最期の言葉を残し、静かに目をとじた。
あれが颯さんの最期だったのだ。
これが、あの日の出来事。