きいろい青空【完】
「花恋。やめろよ…しょうがないことだったんだよ…」
俺は揺すっている花恋の腕をつかんだ。
「しょうがないじゃないよ…!離してっ!!」
俺の腕を振り払い、立ち去った花恋。
その時の花恋の顔…
俺は一生忘れられないと思った。
心の奥の奥へと刻み込まれる。
ごめんね…花恋。
君を悲しみから助けてあげられなくて…。
残された俺と翼。
翼が静かに言葉を話す。
「直輝…うちは最低だよ。颯に近づくために、花恋と友達になった。花恋に近付くために直輝と付き合ったの。それは本当。でも、いいんだよ?嫌なら別れても…」
俺も同じようなことをしているんだ。
俺も翼を利用した。
花恋を忘れるために…
だから、ふたりとも変わらないよ?
俺と翼。
翼には自分だけを責めないでほしい。
「俺は別れたくない。でも、翼が嫌なら別れてもいいよ…?」
「ごめんね…好きになるからぁ…このままでいよう?」
「俺も好きになるから…」
俺と翼は抱きあった。
好きどうしでは無いふたり。
本当に好きな人は違うけれど、一緒にいたいという気持ちは同じ。
翼と、一緒にいたいんだ…