きいろい青空【完】
「えぇぇーーー!?入学1週間で新しい彼氏っ…?」
休み時間、うちの前の席に座る美久が目を大きく開け、驚いている。
「うん。きのう、告ってOKもらった!」
ピースして笑ってみせた。
「てかさぁ…竜也って…だれ?」
「知らない?5組のチャラい人だよ」
「ふ~~ん」
そう言いながら美久は廊下に目をやった。
うちも、その目の先を追う。
そこには、直輝とじゃれている英斗の姿。
美久の目には英斗しか映っていない。
「美久は英斗しか、興味ないもんネーー!!」
「ちょ、ちょっと。声おっきいよ!!」
人差し指を口の前で立てる美久。
なんか、この慌てっぷりが可愛い。
だから美久はいじりたくなる。
「あははっ!ウケルぅ~。ガンバ、美久っ!」
「んもぉ!!」
いじけてほっぺが少し膨らむ美久。
だから、いじりがいがある。
「花恋が告るなんて珍しいじゃん。どこを好きになったの?」
いきなり真剣に質問。
「…なんかぁ、颯に似てるんだよね」
ふっと脳裏に颯の笑顔が浮かんだ。
竜也は颯に似てる。
そう思う。