きいろい青空【完】
「48対22で、7組の勝ち。礼っ」
「ありがとうございましたー!」
勢い良く頭を下げるチームのメンバー。
俺らのクラスが勝ったから。
試合が終わり、体育館入り口に貼ってあるトーナメント表を見に行った。
自分の7組の線をたどっていく。
「圧勝だったな!!」
後ろから英斗が嬉しそうに言った。
「なにげに勝っちゃってるし…」
独り言を呟いた。
それが英斗には聞こえていたみたい。
「当たり前だろ?俺とお前がいるんだからなぁ~!」
うひゃひゃとひとりで大爆笑している。
「……えっ!てか次…決勝じゃん!!」
トーナメント表の太い線をたどっていくと、次は一番上に線がのびていた
そんなに勝っていたっけ…?
「そうだよ!決勝は5組とだって」
「5組かぁ」
どんなチームなんだろう。
5組の試合は全く見ていない。
「5組は竜也がいるんだよ!!だから、勝たねぇーとっ!」
「なんでそんなに竜也に対抗心むき出しなんだよ?」
竜也の存在は知っている。
第一印象は、すごいチャラい。
それだけ。
今は亡き…先輩に似ていると一瞬思った。
「あいつ。俺の幼なじみでさ~」
「そーなん!?英斗に幼なじみとかいたんだ。しかも、あの竜也…」
「うん。しかも、花恋の彼氏なんだってぇー」
「ふ~~~~ん!!」
別に、どーでもいいけど?
花恋のことなんて。
「んじゃ、優勝だなっ!行くぞ」
「うん!」
英斗とふたりで、次の試合へ向かった。
なんか急に優勝したくなってきた。
てか、竜也なんかに負けたくない…とか思う。