きいろい青空【完】
「あ゛ーもう!!」
眉間にシワを寄せ、リングを見つめる。
またシュートを外した。
……どうして?
これじゃあ、本当に負ける…
その時!
「直輝っ!!外してないでちゃんと入れなよ!バァァーーっカ!」
どこからか聞こえてきた声。
その声は、花恋…?
声のしたほうを見る暇もないくらいに、ボールが回ってきた。
俺の手に収まっているボール。
「直輝。スリー打てっ!早くっ」
英斗の声が聞こえ、俺はとっさにスリーポイントシュートの姿勢をとった。
ラインギリギリに膝を曲げ、集中して…
リングを見つめて…
ボールを放った。
「入れぇーーーーー!!!」
花恋の声が響く中、ボールはきれいに回転して…
シュッ---
っという音が確かに聞こえた。
と、その時ビーーーっと音が鳴り響いた。
「入ったぁーーーー!!」
体育館は拍手と歓声に包まれた。
「直輝!勝ったぁぁぁぁ!!!」
英斗が叫びながら抱きついてきた。
「勝ったぁぁぁぁぁーーーー!!!」
2人で抱き合い喜んでいた。
「ほら、そこのふたり。あいさつ」
と、先生に注意された。
「あ、はいっ」
苦笑いをしながら、急いで俺と英斗は列に戻った。
「55対52で、7組の勝ち。礼」
「ありがとうございましたぁー!」
すごく元気のいい声でのあいさつで締めくくった。