きいろい青空【完】




“優勝”という文字が頭の中をぐるぐると駆けめぐる。




ドラマでありそうな展開だったなぁ。




「そいじゃっ!仲直り、しましょか!!」




教室に戻る廊下の真ん中で、後ろから肩を組んできた英斗。


汗臭さが半端じゃないだろう。


なのに、肩を組まれたら余計、暑苦しいのに。




「ぅえ~~。いいよぉ~…それはぁ…」



「よくなーーーい!!」



「嫌だ」



「なぜだよーーー!?仲直りしてぇーー」




両手を合わせ必死に頼んでくる。


でもなぁ…




“好き”という気持ちがはっきりしそうになってしまったんだ。



応援されたとき、ドキッとしちゃったんだもん……




竜也じゃなくて、俺を応援してくれた事。


嬉しいって思っちゃうんだもん…




だけど。




“好き”は気付きたくない。



隠しておきたい気持ちなんだ。



だから、まだ他人でいたい。




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