きいろい青空【完】
君が幸せにならないとだめなんだ。
君が幸せになるのを見届けてから、俺には関係の無いことだと言おう。
君を幸せにするのが俺の役目だから…
そうだろ?
…颯さん………
「竜也くんいますか?」
俺はその日の昼休みに5組に行った。
「ちょっと待ってね。竜也ー、呼んでんぞー」
クラスの人が竜也を呼びだしてくれた。
「あ~?誰だぁ?」
かったるそうな声を出しながら俺の前に現れた。
めちゃくちゃチャラくて、俺より背も高いし少しビビってしまう。
「あ!お前、英斗のダチの直輝だろっ?」
俺を見るなり笑ってそう言った。
「え…うんっ」
「おー、んでなんだ?直輝」
こ、こんなフレンドリーにされると言いづらい。
「えっと…変なこと訊くけど…。2時間目の休み、図書室でキスしてた…?」
「あ~うん。千春とだろ?」
竜也は平然と答えた。
千春…あのブリっ子か。
「それがどうした?」
その言葉で俺の中の何かがプツリと切れた。
「花恋はどうしたんだよっ?彼女いるのに、他の女とキスなんかしてんじゃねぇよっ!!」
俺は怒鳴った。
廊下にいた人達の視線が俺に集まった。
「キスなんて、どーってことなくね?何そんなキレてんだ?」
「はぁ?なんでそんなに軽いんだよ?花恋がいるのにどう…」
「お前、花恋のなんだか知んねぇーけどさぁ。あいつも相当軽い女らしーじゃん?」
俺の言葉を遮ってそんなことを言ってきた。
言葉に詰まる。