きいろい青空【完】
「でも、最後にひとつ」
真っ直ぐ見つめ美久は言った。
「忘れようと頑張るより、振り向かせようと頑張る方がきっといいよ…?んじゃ、バイバイ」
別れを言うと、美久は歩いて行った。
俺はただただ呆然と立ち尽くしていた。
“忘れようと頑張るより、振り向かせようと頑張る方がきっといい”
この言葉がずっとずっと頭に残っていて……。
美久に気付かされたかもしれない。
この気持ちを…。
俺は花恋が-----
この時の俺は、この気持ちを素直に認めなかった。
けど、押し殺そうともしなかった。
美久と話して本当によかったと思う。
オレンジ色に染まる美久の後ろ姿を見つめていた…
風がひとつ、吹いたとき----
君を思い出した。