きいろい青空【完】
そのまま家路を歩き、じいちゃんの家に帰ってきた。
「ただいま~」
「お、直輝っ!おかえりー」
明るいじいちゃんの声が迎えてくれた。
「どうした?そんな顔して」
読んでいた新聞から目を離し、俺の顔を覗いてくる。
「え?いや別に…」
こたつに座っているじいちゃんの正面に腰を下ろす。
じいちゃんはジロジロと覗いてくる。
「なんかあったのか?話してみろ」
「えっと…俺。昔のことが思い出せないみたいで…」
気付いたら、思っていたことを言葉に出していた。
花恋と交わした約束----
いくら思い出そうとしても思い出せない。
俺って、つくづくダメだなって思えてくる…
情けない……。
「昔のことって?」
新聞をたたんで机に置き、じいちゃんは俺を見た。
「花恋と交わした約束…。思い出せないんだよ…」
「花恋!?最近、見てないなぁ~。昔、よく遊んだもんだなぁ~」
うなづきながら、昔のことを思い出している様子。
よく昔は、俺とじいちゃんと花恋で3人で遊んでいた。
「うん…」
話がそれて来ちゃってるし。
俺の話は…
「あ、悪い悪い。約束か…そんなもの簡単にわかるさ。直輝」
さらっと言った言葉に驚く。
「え?どうして?」