きいろい青空【完】
「ふぁーい。失礼しましたぁ」
なんだよ。
伝言係りと荷物運びかよ。
しかも、自習だぁ~!
やっほ~いっ!
って思ってテンション上がったのに…
先生来るとか。
マジ最悪じゃん…
あ。
手に持っている何十冊もある古文のノート。
一番上のノートが竜也のものだった。
「ふっ」
あまりにも汚い字で書かれた名前を見て笑ってしまった。
イライラしていたのに、一瞬にして温かい気持ちに変わった。
これもまた“好き”の力なのかなぁ…
とか思ったり。
教室に入り、教壇の前に立った。
「みんなー。次は、美術じゃなくて教室で自習ね」
と、伝えるとやっぱりクラスは喜んだ。
『自習サイコー!』
って。
「でも麻里ちゃん、来るって」
と言い足す。
「うわぁ~最悪」
「先生は来なくていーのに」
とみんなブツブツ。
やっぱり、その反応だ。
うちも席に着いた。
「この前見たか?直輝が竜也にキレてるの」
「あぁ!!見た見た」
と、話しているのが聞こえてきた。
これは竜也が話していた話かなぁ?
うちは、じっとその話を聞いていた。
まる聞こえですけどねぇ…