きいろい青空【完】
「なに…やってんだ…よ?………ばか」
「ばかって…」
「早く…確かめて……来なくちゃ、だめだろ?」
「うん…でも、じいちゃんが…」
じいちゃんがこんな状態なのに、置いて行くわけにもいかないだろう。
「俺が…死ぬとでも…思ってんのか?俺は、直輝の…はぁーはぁー…花婿姿と…花恋の花嫁姿見なきゃ…死ねないだろ…?」
そんなこと思っていてくれたなんて。
じいちゃんが俺のじいちゃんでよかった-----
と、本当に思った。
「俺は…いいから。早く行って……こい…っ!」
「うんっ……!!」
1歩踏み出した時。
「ちょっと、直輝。どこ行くの?こんなときに」
母さんに呼び止めれた。
でも。
「行かせて…やれ」
じいちゃんがそう言った。
病室を出ようとしていた俺は、ちょっと後ろを振り返った。
横顔のじいちゃんは笑っていたんだ。
「サンキュ。じいちゃん」
そう言い残し、俺は走り出す。