きいろい青空【完】
「よぉ、直輝!」
公園に着くと、ブランコに乗っている英斗を発見。
「ハイ。直輝の荷物な」
ブランコから降りて来て、リュックを差し出した。
「さんきゅ」
「ん?」
「な、なに!?」
英斗が眉間にシワを寄せて、俺の顔をのぞき込んできた。
俺は反射的に顔を背ける。
「泣いてたん?」
うわっ!!鋭すぎるよ、コイツ。
「いやいやいやっ…」
「直輝、完っっ璧泣いてたろ?目が赤いし」
「えっ…!」
小さく驚きの声が漏れてしまった。
「直輝ってわかりやすいよなぁ~。なんで泣いてたん?」
そう訊きながら、またブランコに英斗は座った。
英斗には隠すことが出来ないな…
「えっと…これ」
たんざくを英斗に差し出した。
「何コレ?」
じろじろと見ながら、文字を読んでいる英斗。
「昔、花恋と交わした約束。なのに…俺、憶えていなかったんだ。たんざくに書くくらい願っていたのに…最悪だよなぁ…」
俺はひとつ溜め息をつき、英斗の隣のブランコに座った。
「しょーがねぇーじゃん?昔のことなんて、今じゃどーすることもできねぇだろ?」
そんなわかりきっていることは、俺でも理解しているつもりだ。
どうすることもできない…。
でも…
「約束を思い出したら、花恋が幸せになるって。美久が言うんだ。でも…どうしたらいいんだろう…」
「花恋は、この約束憶えているん?」