きいろい青空【完】



「わからない…」



花恋は。

どうなんだろう…?



約束憶えていてくれているのかな。




「俺、今思った。そんなに花恋ばっかなんだからさぁ~…やっぱ好きってわかったんだろ?」



英斗はイタズラっぽく口角をキュッと上げて言った。



「はっ!?だ、だって、花恋は他人だから…好き…とかじゃなくて…」



話すにつれて声が小さくなる俺。



「他人?」



「そう。俺と幼なじみだと、花恋は嫌なんだよ。だから、幼なじみなんて関係は消えて、他人に」



「ふーーーーん」



英斗はブランコを静かに漕ぎ始めた。




「花恋も、他人だと思ってると思う?」



「思う…」



「あいつは、ちげーよ?」



「……え?なんで?」



ブランコをどんどん加速していく英斗。


太陽の光りが英斗のシャツに反射し、まぶしくて目を細めた。



この瞬間…英斗が輝いて見えた。




「花恋は直輝のこと。幼なじみだと思っている…」



「どうして?そんなことは…ないよ?」



「こんなこと、直輝が悩んでいる時に言っていいか、わかんねぇけど。今日…花恋なぁ…人をはたいて…暴れたんだ」



「えっ!!」



ちょ、ちょっと英斗。


びっくりする事ばっか言い過ぎだよ!?



頭の中がごちゃごちゃ。




「同じクラスに林ってやついるだろ?あいつを」



「林が竜也のことを悪く言ったんだろ?だから、花恋が怒っ」



「ちげぇーよっ」



俺の言葉を遮って英斗は言った。




「林が、直輝のことを。悪く言ったから…だよ」



ブランコを止め、真っ直ぐ俺を見つめて答えた。



周りの音なんか聞こえず英斗言葉だけが耳に入ってくる。



しかし、英斗の言葉をすぐには理解できなかった。



「………?よく、わからないんだけど…」






< 234 / 305 >

この作品をシェア

pagetop