きいろい青空【完】
「わからない…」
花恋は。
どうなんだろう…?
約束憶えていてくれているのかな。
「俺、今思った。そんなに花恋ばっかなんだからさぁ~…やっぱ好きってわかったんだろ?」
英斗はイタズラっぽく口角をキュッと上げて言った。
「はっ!?だ、だって、花恋は他人だから…好き…とかじゃなくて…」
話すにつれて声が小さくなる俺。
「他人?」
「そう。俺と幼なじみだと、花恋は嫌なんだよ。だから、幼なじみなんて関係は消えて、他人に」
「ふーーーーん」
英斗はブランコを静かに漕ぎ始めた。
「花恋も、他人だと思ってると思う?」
「思う…」
「あいつは、ちげーよ?」
「……え?なんで?」
ブランコをどんどん加速していく英斗。
太陽の光りが英斗のシャツに反射し、まぶしくて目を細めた。
この瞬間…英斗が輝いて見えた。
「花恋は直輝のこと。幼なじみだと思っている…」
「どうして?そんなことは…ないよ?」
「こんなこと、直輝が悩んでいる時に言っていいか、わかんねぇけど。今日…花恋なぁ…人をはたいて…暴れたんだ」
「えっ!!」
ちょ、ちょっと英斗。
びっくりする事ばっか言い過ぎだよ!?
頭の中がごちゃごちゃ。
「同じクラスに林ってやついるだろ?あいつを」
「林が竜也のことを悪く言ったんだろ?だから、花恋が怒っ」
「ちげぇーよっ」
俺の言葉を遮って英斗は言った。
「林が、直輝のことを。悪く言ったから…だよ」
ブランコを止め、真っ直ぐ俺を見つめて答えた。
周りの音なんか聞こえず英斗言葉だけが耳に入ってくる。
しかし、英斗の言葉をすぐには理解できなかった。
「………?よく、わからないんだけど…」