きいろい青空【完】
「お願いです!花恋の退学を、取り消してくださいっ!!お願いします」
俺は、頭を地につけ土下座をした。
これくらいしか出来ないから…。
「ちょっと、なにをやってるんだ!?頭を上げなさい!」
腕を掴まれ起こされそうになったけど、拒んだ。
「嫌です…」
それでも頭を上げなかった。
「わたしは時間がないんだ」
校長は、それだけを吐くと車に乗り込み走り去った。
……なんて、俺は無力なんだ…っ!
拳を強く地面に叩きつけた。
俺は、頭を上げることが出来なかった。
「直輝っ!」
英斗の声が後ろで聞こえた。
英斗と美久が探して来てくれたらしい。
「早く起きろよ」
英斗に腕を持ち上げられ、無理矢理立たされる。
でも、顔は両手で隠したまま。
こんな顔…ふたりに見せられるわけ無いじゃん。
悔しくて…悔しくて…。
「大丈夫か?」
「なんで…っそんなに落ち着いてられるの?英斗は…悔しくないっの?」
声が上手く出なくて、片言の日本語を話す。
「だって…」
「花恋は、あんなに高校を楽しみにしていたのに…退学っだよ?しかも…俺のせいで」
俺は知っている。
あいつが、どれ程高校を楽しみにしていたってことくらい。
そして、すごく努力して…。