きいろい青空【完】
声…震えてるじゃん…。
直輝の手は込めていた力を弱め、うちの腕が落ちた。
そして、小走りで行き直輝から遠のく。
「はぁーーっ…」
安堵の胸を撫で下ろす。
さっきの嘘は、上手くいったよね?
直輝の顔見なくてよかったぁ~。
見て言ったら、嘘見破られちゃうもんね。
嘘付くときは、瞬き3回する癖。
直輝は分かっていると思う…
直輝。
ごめんね…
罪悪感しか残ってないよ。
「憶えているに決まってんじゃんかぁーっ…!」
今さら、思い出したなんて言わないでよ…
最初から憶えていろよ、あのバカっ!!
忘れてんなよ、バカバカバカ…!!
うちはずっとずっと憶えていたんだから。
「あぁ~…ダメじゃん。こんな顔」
バックから、鏡を取り出して顔を見た。
泣いてもないのに…目が真っ赤だし。
これからデートだっつーのに!