きいろい青空【完】
待ち合わせの駅で、すでに竜也は待っていた。
「あっ!!竜也~~~」
「おーーっ!」
手を振りながら駆け寄った。
「ごめんねっ、遅れちゃって」
「いや。待ってねぇーし。ほら、行くぞ」
自然に手を繋いでくれる。
それが嬉しい。
でも…今日が最後だ-----
さっそく、切符を買い電車に乗り込む。
今日はラッキーなことに、電車の中はガラガラ!
ふたりで隣に座れる。
「ごめんね。今、学校はテスト期間でしょ?なのに、デート誘っちゃって」
「いんや。勉強なんか俺がすると思うか?」
「あははっ。しないか!竜也だし」
「だろ~」
このデートはうちが誘った。
伝えることがあるんだ…
「てか、どこ行くん?」
「ベタに遊園地!!」
ピースサインを見せ、笑顔で言った。
「マジ?めっちゃ久しぶりだわ!!」
目を輝かせた竜也。
はしゃいでいる竜也。
かわいいな…。
今日で、うちだけの竜也を見れなくなる。
今日だけは笑顔でいよう。