きいろい青空【完】



待ち合わせの駅で、すでに竜也は待っていた。



「あっ!!竜也~~~」



「おーーっ!」



手を振りながら駆け寄った。




「ごめんねっ、遅れちゃって」



「いや。待ってねぇーし。ほら、行くぞ」




自然に手を繋いでくれる。


それが嬉しい。




でも…今日が最後だ-----



さっそく、切符を買い電車に乗り込む。



今日はラッキーなことに、電車の中はガラガラ!


ふたりで隣に座れる。




「ごめんね。今、学校はテスト期間でしょ?なのに、デート誘っちゃって」



「いんや。勉強なんか俺がすると思うか?」



「あははっ。しないか!竜也だし」



「だろ~」



このデートはうちが誘った。


伝えることがあるんだ…




「てか、どこ行くん?」



「ベタに遊園地!!」




ピースサインを見せ、笑顔で言った。



「マジ?めっちゃ久しぶりだわ!!」




目を輝かせた竜也。


はしゃいでいる竜也。



かわいいな…。



今日で、うちだけの竜也を見れなくなる。


今日だけは笑顔でいよう。





< 258 / 305 >

この作品をシェア

pagetop