きいろい青空【完】
「今日は…すごくすごくすごく…すっごーく楽しかったね!!」
「おうっ」
うちは、竜也の隣から前へ座った。
ちゃんと向き合って。
「えっと…今日は竜也に、聞いてほしい事があって…」
心臓うるさい。
緊張しかない。
決心して、空気を吸う瞬間---
「なに。…別れ話?」
静かに竜也が言った。
すごいね、竜也。
…先に言っちゃったよ。
「うん。当たりー」
「なんで?」
そう訊く竜也にビクビクしてしまううち。
“別れ話”をしに来たのに…
でも、勇気がいるし怖い。
「彼氏は竜也なのに、今は竜也を好きっていう気持ち意外にモヤモヤした気持ちがあって…」
堂々と『竜也が好き』だなんて、今のうちは叫ぶことができない。
好きって言っていいの?
このうちが?
っていう疑問が生まれてくる。
「今度はその気持ちが何だかわかったら、嘘をつかないで。素直に認めようと思うの。ごめんね、勝手で。始めにうちから好きって言ってのに……」
「いや、俺も…他の女と遊んでたし…」
竜也は目をそらして、言いにくそーに小声で言った。
「知ってるよ。千春でしょ?」
「ぅえ゛!!知ってたんかよ…」
「でも、竜也がうちだけを見てくれなかったのはわかる。…うちだって竜也だけを見ていなかったんだから。自分が悪い」
千春とイチャイチャしているのを見ても、それほど妬かなかった。
うちの好きはその程度なの?
と思って悲しくなった事があった。