きいろい青空【完】
「変なのぉ~。あ、どっか行こーよ?」
「う、うん」
手を繋いでまた歩き始めた。
ふと、ポケットからケータイを取り出し開く。
……ん?
今日は…10月8日…
足を止めケータイの日付に釘付けになった。
「どーしたの?」
「てか、待った!!…今日って翼の誕生日じゃんっ!」
「え?あ~~。そっか、今日は8日か。あはは」
ケラケラ笑っている翼。
「なに、そのリアクション!?」
「だって忘れてたんだもん。あははは」
なぜかひとりで笑い出した。
「えっと…えっと、えっと…」
目を泳がせ慌てる自分。
どーする!?
自分っ!!
「あ、いいよ~。プレゼントとかは」
う………。
プレゼント買ってなかったこと、バレた?
どうしよう。
最低だぁー俺…。
「だって、じいちゃんのこととかあって…あ、これじゃあ言い訳になってるし…ゴメン」
「だからいいってばぁー」
あぁー…
逃げ出したいよ~。
「いや、それじゃあ俺がよくないんだってば」
考える。
ただじっと考える。
何をあげたらいい?
ペアリングはもうしてるし…。
んん~。
「あ!じゃあ、翼の好きなことだけをしよっか?」