きいろい青空【完】
ここは、季節関係無しに売っている物が揃っている。
だから翼の好きなアレがあるはず!
それを探し店内をうろうろ。
「ラスト…ひとつ」
もう季節過ぎちゃったもんね。
貴重な最後のひとつを手に取り、レジへ向かう。
コレなら喜んでくれると信じて。
「あ、あと。これふたつ…」
店員のおじちゃんに、翼の好きなコレが入っている機械を指差し言った。
「あ~悪いねぇ~。もうひとつしか無いんだよ」
「じゃあひとつで」
「ありがとね」
お金を払い、翼のもとへと急いだ。
「ただいま」
「おかえりぃ~!」
笑顔で迎えてくれた。
そんな翼の隣へ座った。
「何買ったの?」
わくわくした子供のような顔で訊いてきた。
「ジャジャーンっ!肉まんと花火デース!!」
袋の中を見せる。
その中をのぞき込む翼の笑顔。
「大正解じゃん!」
よかった…喜んでくれた。
「あれ?肉まん、ひとつしか無いじゃん?」
袋の中から肉まんを取り出した。
「うん、ラスト一個だった。花火も。両方季節少しずれてるからね」
でも売ってて良かった。
あの店にマジ感謝。