きいろい青空【完】
翼の最後の一本が、今、消えた。
「あ~あ。終わっちゃった~」
残念そうに、砂浜に腰を下ろした。
その翼の隣に俺も座った。
「どうだった?プレゼント」
「好きな海で、世界で1番好きな肉まん食べて。大大だぁーーーい好きな直輝と、好きな花火やって…もーヤバイ楽しかった!!」
「喜んでくれて本当によかった。誕生日おめでとう!」
「ありがとう!!あのさっ…」
何か言いかけたその時。
俺のポケットでケータイが鳴った。
「出でいーよ」
「ゴメン」
見ると、ディスプレイに【英斗】と表示されている。
立ち上がり、少しその場から離れた。
「もしもし?」
「びっくりすんなよ?びっくりすんなよ?びっくりすん」
「わかったから何?声でかいし」
「花恋の退学が……取り消しになりましたぁーー!!」
「………マジ?」
あんなに『びっくりすんな』と言われたけど、さすがに驚いた。
その言葉…
「マジだよ!!本当に取り消しっ」
「っしゃーーーーーーっ!!」
拳をつくりガッポーズ。
「でも、どうして取り消しになったの?」
「お前の土下座だよ~」
「は?」