きいろい青空【完】
「そん時、お偉い先生さんが来てて、お前の土下座姿を見たんだと。生徒にそんなことをさせたくせに見捨てて車に乗って行ったから、注意されたんだと。だから、校長は自分のクビを守るために的なっ!クソ校長でよかったいな」
「な、なんかすごいな…」
偶然の重なりが奇跡を生んだ。
きっと、そう言う言い方をするんだろう。
性格が悪い校長と、タイミングよく来てくれたお偉い先生。
それと適当な学校。
それらにとりあえず、感謝する。
「でも、まだ学校にすぐには戻れないんだと」
「そっか…でも、良かった。あ、ゴメンっ。今デート中だから切るね?」
「そーだったんか。悪いな」
「いや。教えてくれてありがとう。」
「どーいたしまして。んじゃあな」
通話を切り、ケータイをポケットにしまい翼の隣へ戻った。
「あれ、早かったね。無理に切らなくてもいーのに」
翼の気遣いの言葉。
「無理じゃないよ。てか、翼といるんだから電話なんていいの」
翼とふたりの時は、翼だけを見ていたい。
だけど……頭の中は“花恋”でいっぱいで…。
「で、さっき何か言いかけ…」
「結婚したいの。」
………ケッコン?
翼は確かにそう言った。
その顔はいつにもまして真剣だった。
今までで一番、真剣な顔かもしれないと思うくらいに。
「え……?」