きいろい青空【完】
「わかったわかった。すいませんでしたぁ~。…ねぇ、直輝は?」
無性に直輝が気になる。
「その質問、何回してるの?」
「そんなしてないし」
「いや、えっと…」
ベッドから起きあがりママを見てみると、
指を折り何か数えている。
「今日で8回目だよ。これが最後だよ?直輝は、おじいちゃんちに引っ越したの。わかった?何回言わせんの」
「うん。わかってるよ…そんなこと」
わかっていると言っても、ついこの前知った。
直輝のことを全然知らなかったと分かって、他人と幼なじみの違いを思い知った。
ずっと隣の家にいると思っていたのに…
「そんなに言うんなら、会いに行ってくれば?」
「はぁ~~~?」
また、枕に顔をうずめて手足をバタバタさせる。
「そんな簡単なら悩んでないっつーの!」
「なに、悩んでるの?あっ!じゃあアレを出すか」
ママはニヤニヤしながら、階段を下りていった。
うちはすぐに追いかける。
「なになになにっ!?」
「ちょっと待ってね」
ママはリビングにある食器棚の引き出しを開け、何かを探す。
そのうち何かを見つけたらしく、声をあげた。
「あったぁ!」
「何コレ?」
ママが探し出した物は……封筒?