きいろい青空【完】
次の1行を読んで、ハッとなった。
その瞬間、うちは急いで駆けだした。
走って走って走って、手紙を握りしめたまま。
今、うちがしなくてはならないこと。
それは
直輝に会いに行くこと-----
「ついた…!」
直輝のじいちゃんの家に到着。
インターホンを何回も押す。
「はいはい」
鈍い音をたて扉が開き、じいちゃんが出てきた。
昔と全く変わっていない。
「じいちゃん、直輝は!?」
「お~!花恋じゃないかぁ~!久しぶりだな。…直輝?ちょっと待ってろ」
じいちゃんは確認しに、家の中へ戻った。
直輝、いてほしい。
ねぇ…。
「じいちゃん、直輝は?」
戻ってくるじいちゃんの姿を見て、思わず問いかける。
「ごめんな。直輝、今いないみたいなんだ…」
「ありがとっ!」
「おい、花恋!!」
じいちゃんの声なんか耳に入らず、すぐに走り出した。