きいろい青空【完】
青い星柄の封筒。
「さっき、ちーちゃん(花恋のお母さん)が来て、これを直輝へと。健輔から」
「健輔おじちゃん!?」
健輔おじちゃんとは、花恋のお父さん。
大好きだった。
病気でなかなか帰ってきてくれなかったけど、たくさん遊んでくれた。
俺を息子のように接してくれた人だ。
そして、俺はゆっくりと封筒を開けた。
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直輝へ
元気してるか?花恋と仲良くやっているか?
俺は今でも憶えているよ。
春の夕方。
ふたりの秘密の場所という、桜の木の丘に行ったら
結婚の約束をしているのを見たんだ。
幼すぎて、結婚の意味もよくわからないくせに
必死で。
あの約束を叶えている未来を想像したよ。
しかし、直輝の未来に花恋がいない可能性だってある。
離ればなれになっているかもしれない。
直輝の未来は直輝が決めるのだから、
仕方のないことなのだろう。
でもな、父親の立場として言わせてもらう。
娘を頼む。
俺は、花恋をそばで見てやれない。
だから、もし。
直輝が花恋を想っているのなら、ずっとずっと
側にいてやってくれ。
あいつ、寂しがり屋だからな…
迷うことがあったら、大切な人に会いに行くんだ
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