きいろい青空【完】
「ねぇ…ごめんね?約束覚えてないって嘘ついて…」
「もう、謝るなって言ってんじゃん!気にするなよ、花恋」
「でも…」
やっぱり、嫌な気持ちが残っちゃったよ。
裏切っちゃって、申し訳なくて…っていう気持ち。
『気にするな』って何回も言ってくれる直輝だけど、謝ってしまう。
ごめんね…
「だって、明日約束叶うんだよ?」
嬉しそうに、弾けた笑顔で訊いてくる直輝。
そんな直輝につられて笑顔になった。
明日----20才の誕生日に。
“20才になったら、大っきいお城でチューしよう”
明日は一生の中で
1番素晴らしく輝く日になるね…!
「そーだね。明日、叶うもんね!」
「うん、そうだよ。だから、ごめんばっか言わないのっ!」
「はい…わかりました」
しぶしぶ認めさせられる。
これが直輝だもんね。
こんなワガママなうちを、手懐けている。
恐るべし奴…。
「あっ」
直輝のポケットの中で、ケータイが光を放ちながら揺れている。
取り出して、表示されている名前を見て微笑む直輝。
「英斗からだよ」