きいろい青空【完】
花恋はあっけらかんに答えた。
「はぁ?なんで?」
「もういいじゃん。全部どーーーでもよくなったし。だってさ、初恋楽しかったもん」
花恋はちょっと恥ずかしそうにしている。
自分で言った言葉で照れてるのか…?
俯いてモジモジしている花恋。
「…」
「そんなのいいから、早く行こ?」
花恋は僕の腕を掴んで歩きだした。
学校に着き教室に入るといきなり、小声で花恋は
「ちょっと見ててね」
と言って教科書を机にしまい込んでいる英斗のところに向かった。
「英斗。もう、お前なんてぜんっっぜん好きじゃないのだ!!」
「なんだよ、いきなり…」
びっくりしている英斗。
「好きじゃないって言ってんの。でも…ありがとね」
「え、あ。うん」
あの花恋の“ありがとう”にはどんな意味が込められてんのかな?
優しい花恋のありがとうの言葉。
「てか、それより英斗。美久が好きって普通に認めちゃったね」
「ええっと…それは、ちょっとねぇ~…」
英斗は言いづらそうに目線を外した。