きいろい青空【完】




「マジっ?」




直輝は小さく頷き、英斗と話し始める。




「もしもし?」



そんな直輝のケータイにうちも耳をくっつけた。


うっすらと英斗の声が聞こえる。




「直輝!いよいよ明日だなっ!!本当におめでとー!」



「ありがとう。英斗」



「どーせ隣に花恋いるんだろ?」



「えっ…!!」




うちは言い当てられ思わず声が出てしまった。


隠れて会話を聞くつもりだったのに…




なんで、わかったんだ………?



まさか…


監視カメラなんてないよね…。


なんて思ったりして、周りをキョロキョロ。





「ほらーっ!今、花恋の声聞こえた。結婚式の前日だもん。しかも、お前らだしな。だからわかったよ!簡単にな。隣にいるってことぐらい」



すごっ!


さっすが英斗。




英斗のカンは、本当に鋭い。



うちは直輝からケータイを奪った。



「そう言う英斗さんこそ、隣に美久いるんじゃないの~?」



「ぅえっ!!あーーっ!!美久っ…」



「もしもし。花恋?」



声が美久のものに変わった。


うちのカンも当たり、美久にケータイを奪われたんだろう。


まったく、ふたりもラブラブなんだからぁ~。




「ほら。美久もいたんじゃん!」



「うん、まーねっ!それより、明日は本当におめでとう!」



「ありがとう!」






< 300 / 305 >

この作品をシェア

pagetop