きいろい青空【完】
「マジっ?」
直輝は小さく頷き、英斗と話し始める。
「もしもし?」
そんな直輝のケータイにうちも耳をくっつけた。
うっすらと英斗の声が聞こえる。
「直輝!いよいよ明日だなっ!!本当におめでとー!」
「ありがとう。英斗」
「どーせ隣に花恋いるんだろ?」
「えっ…!!」
うちは言い当てられ思わず声が出てしまった。
隠れて会話を聞くつもりだったのに…
なんで、わかったんだ………?
まさか…
監視カメラなんてないよね…。
なんて思ったりして、周りをキョロキョロ。
「ほらーっ!今、花恋の声聞こえた。結婚式の前日だもん。しかも、お前らだしな。だからわかったよ!簡単にな。隣にいるってことぐらい」
すごっ!
さっすが英斗。
英斗のカンは、本当に鋭い。
うちは直輝からケータイを奪った。
「そう言う英斗さんこそ、隣に美久いるんじゃないの~?」
「ぅえっ!!あーーっ!!美久っ…」
「もしもし。花恋?」
声が美久のものに変わった。
うちのカンも当たり、美久にケータイを奪われたんだろう。
まったく、ふたりもラブラブなんだからぁ~。
「ほら。美久もいたんじゃん!」
「うん、まーねっ!それより、明日は本当におめでとう!」
「ありがとう!」