きいろい青空【完】
「そんなのいつもの事じゃん。なんとなく、わかったけど」
「でも、今度は颯さんなんだよ?はぁ~~」
俺は、頭を抱えた。
「あちゃー…花恋は、あーいう人好きだよね。チャラいのが」
「だよなぁ…」
花恋がチャラ男が好きだってわかったから
俺だってチャラけようと試みたんだけど…
どうも、俺には無理みたい。
「思ったんだけど、直輝って花恋に‘スキ’って言ったことあんの?」
「…ない……や」
「えぇーそうなの?幼なじみだから、1回ぐらいあるのかと思ってた」
俺もびっくりした。
そういえば、言ったことないなぁ。
美久に訊かれなければ気付かなかっただろうな。
花恋に告白なんて、考えられない。
告っても無駄だってわかっているから。
「あっ時間やばっ!!塾始まるから行かなくちゃ。ごめんね。また、いつでも相談なら聞くから。バイバーイ!!」
「うん、ありがとう。ばいばい」
美久は別れを言うと、急いで塾にかけこんだ。
…スキかぁ。
告ったらどんな反応するのかな?
喜ぶ…?
それとも、嫌がる…?
わかんないけど、俺は告わない。
この想いは叶わないんだから……
本当は悔しいけど、花恋の恋の協力をしているほうが
俺はずっとそばにいられるから。
だから、この気持ちは“好き”でいよう。
何も望まないで、ただ
花恋に恋してよう…