きいろい青空【完】




花恋が颯さんに恋をしてから、一週間が経った。



花恋と颯さんは廊下で会うと、あいさつとか手を振ったり、立ち話する仲になっている。


このふたりの仲良しになるスピードは早かった。




でも、そんなある日。






「…………ちょっと待って。もう一回、ゆっくり言って?」




休み時間、授業が終わって座ったままの俺は止まった。



机の前には花恋が立っている。






「だーかーらー!!さっき、告白してきたのっ!!」



俺は、自分の耳を疑った。



「えええええええええええええ。いきなり??」




俺は思わず立ち上がった。



「で、結果は?なんだって??」




「う~ん。なんかぁ~…保留にされた」



不満そうに口をとがらせる花恋。



「告うんだったら、ちょっとは俺に言ってくれればよかったのに」



「だって、廊下で話してて我慢できなくなって、好きって言っちゃったんだもん。だから、3年生にバレちゃった」



「あぁ~あ。どんまい…」



「いいの!返事待つだけだから、いいの!!」



「はいはい…」



少し呆れ気味に言う俺。



「あぁー!たのしみだねぇ~」



花恋はルンルンに廊下に出て行った。



どーせ、颯さんに会いにいったんだろうなぁ~…




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