きいろい青空【完】
その日の帰り。
「はーい。さようなら~」
教室に先生のあいさつが響く。
そして、みんなはぞろぞろと教室を出て行く。
「今日は美久と帰るかんね。バイバイ、直輝」
花恋がカバンをしょいながら、俺の机に来た。
「うん、わかった。バイバイ」
別れを告げ、花恋は美久と一緒に教室を出て行く。
俺は今日、日直だったから日誌を書かなくちゃならない。
放課後の教室に俺1人きり。
書きながら、外に目をやると笑顔の花恋の姿が見える。
花恋が幸せになるんだったら、いっしょになって告白したことを喜んであげたいけど…
ごめんね。
無理なんだ…
悲しくて、悲しくて、少しだけムカつく。
「あ、いた。星直輝」
いきなり声がして後ろを振り返った。
えっっ!
どうして!?
「なんで…颯さん?」
教室の入り口に颯さんが立っている。
「今日、花恋チャンに告られたの知ってんだろ?」
「はい…」
なんか、ムカつく。
颯さんは、俺の隣の席に座った。