きいろい青空【完】
花恋は何を言ってんの…?
熱でもあるんじゃ無いのかな?
「でね、その人はねぇ。……英斗なんだぁ」
南英斗。
(ミナミエイト)
そいつは僕の親友。
「びっくりした?」
「う、うん」
びっくりしたどころじゃないんだけど…
僕は勝手に思っていたんだ。
僕と花恋は両想いなんだと…
だって、一緒の布団で寝たり。
一緒にお風呂に入ったり。
出かけるのも一緒で…
いっつも一緒なんだもん。
だから、すぐに結婚とか出来ると思ってた。
でも、それは全部全部。
僕の片思いだったんだ……
「でね。音楽のとき、英斗がね…」
笑顔で英斗のことを話している花恋。
そんな話、少しも耳に入っていなかった。
本当の本当は、すごくくやしかったんだ。
だって、わかっちゃったんだもん。
僕と花恋は、幼なじみでしかなかったって…
夜、僕は生まれて初めて1人で泣いた。