きいろい青空【完】
花恋*
うちは、直輝の家でテレビを見ていた。
キッチンからはいい匂い。
今日はカレーかな?
毎日、直輝の家でご飯を食べている。
まぁ自分の家に帰りたくないだけ。
家では、ママが料理教室を開いて働いている。
パパはうちが4才の時に病気で死んだ。
「かれーん。ご飯できたから直輝呼んできて」
と優ちゃんがキッチンから言った。
優ちゃんとは直輝のママ。
「どこいんの?」
「多分、そこの公園だと思うけど」
「んー。行ってくるね」
ソファからだるく体を起こし玄関へ向かう。
ガチャ。
「うわ、さむっ」
春なのに風が冷たかった。
最近、直輝公園ばかり行ってるけど何かあるのかな?
とか思いながらも公園が見えてきた。
直輝がブランコに座っている姿を見つけ、小走りをした。
あれ、美久もいる?
「直」
………え?
直輝を呼ぶ声が止まった。
なんで?
美久が直輝に抱きついてんの…?
うちは見てしまった。