きいろい青空【完】
直輝*
「おはよー!直輝」
教室に入ると、美久の明るい声が聞こえた。
「おはよ!」
…って、そうだ!!
昨日美久と……
うわぁ~気まずが…。
「今日は、花恋と一緒じゃなかったんだね。めずらしい」
美久すごい普通ー…
「うん。颯さんと行くの見たから」
俺の部屋の窓から2人が手をつないで登校するのが見えたんだ。
「おい!!直輝ちょっと来てくれい」
クラスの奴が呼んだ。
「なに?」
クラスのみんなが廊下に集まっている。
「いいから来いよ!」
俺も呼ばれたほうに行ってみる。
「ほら、あれ見ろよ」
指を差す方向には手を繋いだあの2人がいた。
手を繋ぎラブラブな雰囲気で教室に向かってくる。
恋人同士になった、颯さんと花恋。
「花恋て、直輝とデキてたんじゃないの?」
「だよなー。直輝とくっついてほしかったぁ」
とクラスのみんなが口ぐちに言う。
「でも、これが本当だから」
と俺が言った。
「あ、いやごめん…」
「俺も悪ぃー」
みんなは謝り始めた。
なんで、みんな花恋の事になると俺に気を使うの?
俺がかわいそうだから?
「直輝オハヨー!!」
花恋が颯さんと別れてここに来た。
「おはよ。よかったね、OKの返事もらえて」
「うん!!初カレだよ」
花恋は嬉しそうにピースサインを見せた。
「花恋、よかったね!!」
と美久も祝福している。
「うん」
それだけ言って花恋は、席についた。