きいろい青空【完】
「だって、直輝泣きそうだったんだもん。だから、友達としてだよ?」
「あっそ」
花恋は目をそむけて去ろうとした。
「花恋、怒ってんの…?」
と美久が訊く。
花恋は立ち止まり振り返った。
「は?なんで。怒るわけないじゃん」
少し怒鳴って言う花恋。
「じゃあ、妬いてんの?」
「妬いてねぇし。うちは颯が好きなの!!わかる?だから、直輝が何したってどうでもいいの」
「本当に?じゃあなんで、そんな機嫌悪いの?」
「あぁ~~もう!!しつけぇーな。勝手に言ってろ」
そう言い捨てると、花恋は教室を出て行った。
ポツンと残された俺と美久。
「ゴメンね、美久。なんか花恋、機嫌悪いみたいだから…」
「直輝が謝らないでよ。大丈夫だから」
「うん…」
美久は複雑そうに、花恋が出て行った廊下を見つめていた。
花恋…どうしたんだろう?
でも、花恋。
瞬きを3回したんだ。
花恋が瞬きを3回したときは、嘘をついたとき。
『怒るわけないじゃん』と言った時、瞬きを3回した。
…だから、うそ?
じゃあ、怒ってんの…??
でも、そんなわけないよ。
俺は花恋の嘘を信じます---。