きいろい青空【完】
「見られちゃったね。花恋に!」
嬉しそうに笑顔で翼さんは言ってきた。
その笑顔に…ムカつく。
「直輝くんて、好きなんでしょ?花恋のこと。でもさ、花恋には颯がいるわけじゃん?だから、好きでいても意味なくね?」
「俺が好きでいるのもいないのも自由ですから」
冷静に答える俺。
「でも、先が見えない恋してても楽しいの?そんだったら、うちと付き合おーよ!?」
「そんな軽い恋は嫌です。じゃあ、俺行きます」
床に落ちたバッシュを拾い上げる。
歩き出そうと、翼さんに背を向けた。
「だめ!!まだ、帰っちゃ」
後ろから抱きつかれた。
なんで、こうすぐに…
「離してください」
「やだ、離さない!!ねぇ…うちじゃあダメ?」
甘え声でささやく翼さん。
「何回言っても同じです」
もう、なんでもいいから離してほしい。
早く!!
じゃないと、花恋が好きなのに…
また、罪悪感が積もる。
「直輝くんは花恋を忘れようとか、思わないの?」
…あ。
それ、最近思っていたこと…
「あぁーーーー!!当たったんだ」
「え?」
図星のところを言い当てられ、返す言葉が見つからない。
俺は後ろを振り返り、翼さんを見た。
「いいよ。うちが忘れさせてあげるよ!」
少し心を許してしまったのかもしれない。
簡単に、2回目のキスを許してしまった…
「んぁ…」
翼さんは俺の唇をこじ開け、舌を入れてくる。