きいろい青空【完】
ヤバいって!!!
ドンッッ。
俺は翼さんを押して、キスを無理矢理離す。
「あ、ごめんなさい…」
「でも、キスしちゃったもんね」
翼さんの人差し指が俺の唇を触った。
「すいませんっ」
俺は、走ってその場から逃げる。
だめだ…だめだ、だめだ。
俺は、何をやっているんだ??
自分で自分が嫌になる。
「ハァーハァーハァー…」
一階の水道に直行。
急いで蛇口を回して、夢中でうがいをした。
何回も、何十回も…
キスしたことは消えないのに…
「おーーーい。直輝ーーー!」
呼ばれた方を振り返ると、校庭から英斗が走ってくるのが見えた。
バタバタとサッカーのスパイクを脱ぎ捨てる。
そして、俺のもとへやって来た。
英斗は自信満々な顔をして
「花恋と美久の話あったじゃん。さっき、花恋と話してきたんよ。で、一応花恋を説得してきた!」
ピースをしてみせる。