きいろい青空【完】
「あっ」
掃除中、英斗は突然、ほうきを振り回していた手を止めた。
「俺も海行くことになったんよぉーーー!!」
すごい笑顔で言った英斗。
「えっっ!そうなの!?」
毎年、僕の家族と花恋の家族で海に行く。
僕の家族と花恋の家族は、幼なじみの4人で結婚したらしい。
だから、家もとなりだし
旅行もいつも一緒に行く。
「花恋に誘われたんだよ。美久も来るんだと!」
「良かったね」
「やべぇ~。超ーー夏休み楽しみーー!!」
美久が来るからだろ?
こんなに喜んでいるのは。
僕は……なんでだろ…?
素直に喜べない。
僕は、きっと花恋の協力をすることになるんだろうな…
花恋の恋の協力なんてしたくないのに。
でも、いいんだ。
僕が花恋のためにできることなんてこれくらいしかないんだもん。
それにね、喜んだ花恋の顔を見れるんだったらいいと思う。
見れるだけで僕は幸せだと思う。