きいろい青空【完】
花恋*
直輝に四つ葉のクローバーをあげた。
「すご…ありがと」
直輝は小さく微笑みながらクローバーを眺めている。
じわじわと喜びを感じているように見えた。
「うん、じゃあうちら行くね。また教室でね」
「うん」
直輝に小さく手を振り背を向けた。
美久と一緒に歩いて行く。
直輝に四つ葉のクローバーをあげる事ができた。
朝から、ずっとずっと探して見つけた四つ葉のクローバー。
それと…おめでとうって言えた。
「直輝って、彼女できたの?」
と、びっくりした顔で訊いてきた美久。
「うん、きのうね。そーいえば、美久と英斗は知らないんだよね」
「初耳だよ!そんなの。…んで、誰なの?」
「つーちゃん」
ぶっきらぼうに答えてしまった。
「えっっっ!!そーなの!?超びっくり!!!」
もうすでに校門をくぐっていたうちら。
美久がそんな大きい声を出したから、回りにいた人たちが一斉に見てきた。
「しぃぃーー!!声でかいよ」
人差し指を口の前で立て、しぃーのポーズをする。
「ごめん…」
申し訳なさそうにうつむいた美久。
「あ、英斗だよ」
ふと後ろを見たら、英斗の姿があった。
てか、なぜかスキップで来るんだけど…
「はよ。仲直り、やっぱ俺のおかげじゃね!?」
憎たらしい顔で笑っている英斗。
「うわぁ~なんか、ムカツク。けど、英斗のおかげだしありがとうございました」
「そんな頭を下げないでくれたまえ」
「まったく下げてないんですけど!!」
なんなんだ、その上から目線な発言。
しかも、うち1ミリも頭下げてないし!!