きいろい青空【完】
さすが、花恋さん。
話の理解が早い!
「じゃあ、英斗ーー」
と、言いながら英斗のもとへ歩いていく。
「花恋&直輝で、英斗さんの恋をサポートしますっ」
花恋は、親指を立ててグーサイン。
それを見てあわてて俺も真似する。
「おぉー。なんと頼もしいぃ…」
「早く告って、勝ち組おいで!!」
と、花恋が茶化す。
「ムカつくけど、ありがたやぁ…」
「じゃあ、一緒の班になりましょー!!」
ピースした花恋。
「ありがとぉ」
「みんな、決まったかー?」
パイプ椅子にすわっていた先生が立ち上がった。
「決まったぁー!!」
「よし、じゃあ男女のペアをくっつけるぞ」
みんなが、ざわざわし始めた。
どうやってペアをつけるのかわくわくして。
「じゃあ…クジで。男女別々でクジを引いて」
そう言いながら、いらないプリント類を切り刻んでいく先生。
そして。
完成したであろう、即席クジ引き箱。
「俺、アイツと組みてぇ~」
「俺らもアイツとがイー!!」
と、男子たちが声を揃える。
「おい。誰から引くよ?」
ひとりの男子が声を掛け仕切る。
まったく話が読めないまま、話し合いが行われている。
「おーい、ちょっと待った。アイツって…誰?」
隣に座っている男子に聞いた。
そんなモテる女子いたっけ…?