きいろい青空【完】
「直輝知らねぇーの?このクラスでトップだぜ?」
「え、だれ??」
「だからぁ、アイツは…」
そいつが指差した先には…
花恋の姿があった。
「え!!花恋なの??」
「そうだよ。だから、俺らにとって直輝はマジ羨ましんだよ!!なんだよ、幼なじみとか。差別だろ」
吐き捨てるように言った。
「いやいやいや。前は騒いでなかったじゃん」
「だって、直輝と付き合ってんのかと思ってたから。幼なじみで結ばれるのはべタじゃん?だから、叶わないと思って諦めてたけど、よかったよ。直輝じゃなくて。幼なじみっていうのは勝ち目ねぇーし」
「でも、彼氏いるじゃん」
「そんなんいいんだって。でも、俺らが手ぇ出してもいいわけだろ?」
「知らねぇー……」
やばい。
今、生まれて初めて本気で…人を殴りたいと思った。
「じゃあ、俺から引いてきてもいい?」
あの仕切っていた男子が言う。
そいつがクジを引く姿を俺たちは見つめた。
「おい、英斗。絶対に花恋と美久と同じ数を引いてこいよ!」