きいろい青空【完】



結局、パンダのブースにだいぶ長い時間いた。



帰らなくなって大変だった。



そして今、動物園から出てきたところだ。





「あ!ビニちゃん発見~!!行ってい?」




花恋がコンビニを見つけたらしい。

指を差しながら目を輝かせている。



「あ、俺も。喉かわいた」



「いいよ。うちが買ってきてあげる」



花恋がそんなことを言うなんて珍しい。



「はい」



「ん?」



花恋が手の平を差し出してきた。




一瞬わからなかったけど、予想はつく。



「あ~お金か」



そう言いながら、ポケットの中から財布を出して千円札を花恋の手の平に乗せた。



ちゃんとお金は取るんだね…



そのお金を使って花恋は自分の分も買ってくるだろう。




「ありがとっ!」



ルンルンでコンビニに入って行った。



「あ、瞳は何もいいの?」



慌てて問いかける。




「私はいいです。ありがとうございます」



「そっか」



俺はコンビニのベンチに座りに行く。



「瞳も座れば?ここ」



自分の隣をたたいた。







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